演劇集団「風ノ街」第85回公演「Who has eaten my happiness ?」観劇

まずは、風ノ街の皆さんお疲れ様でした!

厳密に言うとまだ風ノ街の団員なんですけどね。

 

 

 

そんなこんなで、演劇集団「風ノ街」第85回公演を観に行ってきました。

んで、珍しく感想なんて書いてしまうんですけど。

 


今回の作品、一言で言うと、

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

もったいない!


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞こえが悪くなって申し訳ないけど、もったいなかったのです。

 

 

 

 

 

●重要な設定がもったいない!

 

一番思ったのはこれです。

特に「想像はすべて現実になる」というキーワード。

 

ポスターにも書いてあるし、パンフの演出の言葉にも書いてある。

そして物語後半はこのキーワードを軸に回り始めます。

とても重要で、良いキーワードだと思います。

 

でも、このキーワード、中盤で軽くパッと出てきちゃうんです

 

前触れもなく舞台に新しい軸が刺さって、急に回り始めるんです。

観ている方は置いてけぼり食らいます。これが非常にもったいない

 

 

 

 

 

そして前半によく出てきた「緊急システム(正式名称忘れました)」

コイツも初出シーンがもったいない

 

「窮地に追い込まれた場面での解決方法」でよくやってしまうのが、

 

「うわー大変だーでもコレがあるから大丈夫!エイッ☆」

という茶番。

 

コメディシーンなら良いんですよ。

でもシリアスなシーンでやられちゃうとふいんき(何故か変換出来ない)がぶち壊しです。

 

 

話の引き合いに出して悪いけど、風ノ街新入生公演の「ゴーストライター」に於いてもこの「茶番」が発生してしまっていました。

幽霊のヒロインが、死にかけた主人公に生命パワーを与えるというシーン。

好きな展開です、素晴らしいシーンです。

でも「もしかして……」で、本当に悪いけど、笑ってしまった。笑うシーンじゃないんだけどね。

 

 

 

どちらも、軽く伏線を張っておくだけで違和感は解消されたように思います。


特に「想像はすべて現実になる」が博士の座右の銘とまで言うのならば、最初の記者会見で言わせとけば良かったんじゃないでしょうか。

あとはバックアップ世界で臭わせておいたり。

あれか?バケツがすぐ出てきたのはもしかしたら伏線だったのかもしれませんね。


「緊急システム(?)」に関しては既存のシーンで入れる場所は思い付かないですけど、そういう解説どこかで入れられればなぁ。

あと後半に全く出てこなかったのが残念でした。

 

 

 

 

 

●話の流れがもったいない!

上で前半・後半と書いちゃってますが、

僕は「二つの別のお話が自然にくっ付いたもの」になってるなと思いました。

 

クラシックで言うなら第一楽章第二楽章

確かに第一楽章は第二楽章に繋がるように作られているんだけど、

別に第二楽章だけで聴いてもよい、第一楽章だけでも意外と聴けちゃう。

 

 

 

前半は、深沢聖の悪行と、それに振り回され虐げられるバックアップ達。

後半は、虐げから解放されるべく革命を起こすバックアップ達とそれに対峙する人間達。

 

うーん、まとめると意外と違和感なく前半と後半が繋がってるように見える……

 

でも何か違和感があったんですよ。

コノミが死んだ後に、鋭角急カーブに差し掛かってドリフトしてたんです。

 


多分、先述の「想像は云々」が出てきて、「緊急システム(?)」が出てこなくなったこと。
博士と助手の出番が急増して、コノミとリヒトが出てこなくなってことが原因かなぁ。

それで話がガラッと変わったように見えてしまったのだろうか。

前半は確かに必要なんだけど、前半の流れをもっと後半で生かせていたら、もっと素敵な作品になったかと思います。

 


あと個人的には、折り返し地点でイチカが夢を語るタイミングも、

もう少し早く、具体的にいうとムツミが消える前で良かったんじゃないかなぁと。

 

死という現実を受け止められないという演出にしたかったのかな、とも思うのですが、

観劇中は「仲間死んだのに何言ってだコイツ」と思ってしまいました。


ムツミとも夢を語らい、その上で「夢を語らった大事な仲間が死んだ、革命だ」となればスムーズに進んだのではないでしょうか。ここは完全に私の好みですけれど。






●キャラがもったいない!

Truthの方だけ観た感想だし、この件に関しては本当に個人的な好みの問題です。


いや、みんな良いキャラしてるんです。ゼロくんとかイチカとかセイ様とか博士とか、好きですよ。

博士のマジキチ感良いですね、自分の研究のことしか考えておらず、命を命だとも思っていない感じ好きです。


その中でもリヒトくん。良いキャラだったと思うのですが、彼女寝取られて激高して殺意を抱いたのに、彼女を死に追いやられて何をしてたんだろう?

意気消沈してたのだろうか、後のストーリーに是非とも関わっていただきたかった。


あと助手くんの存在が可哀想で、セイ様に怪我させて連れてきて、殺されるためだけのキャラだったなぁと。まぁモブだと捕らえればそんなもんなんだろうけど。






●折角の見せ所の見せ方がもったいない!

序盤のね、ストーリーなぞるシーン


ああいうの大好きなんです。よくぞやってくれた!と。

キャラのダンス(?)や動きも素敵でした!


でもそれだけに、BGM音量の小ささがもったいなかったです。

階段を上り下りして、足音が響いちゃってたし。

BGMもっと上げられるなら上げて欲しかったなぁ。


後はLIVEのシーンも好きなんですけど、歌声の大きさとの兼ね合いもあるとはいえ、やっぱりBGMがもっと大きい方が良かったのでは。

あと、ここぞ!というシーンでBGMが無かったりしたような?

そういう演出ならそれはそれでいいんですけど、もっと音響の力を頼っても良いのよ、と。







●イタくなりきれてなくてもったいない!

劇全体を通してのイタさ(いい意味)は、正直好みが分かれるかなとは思います。

僕は嫌いじゃないです、アレもアレで良かったです。

 

でも、イタい演技って本当に難しいと私は思います

恥や照れなんか全部捨てて、全体でそういうふいんき(何故か変換できない)を作らないと、本当にただ痛いだけです。


そういう意味では、全員が全員、イタくなりきれてなかったように感じました。

きちんとイタい演技出来てる人もいたのですが、

周りがそこまでイタくなくて、逆に浮いてしまったり。


でも安易な道を選ばずに挑戦したのはスゴいと思います。

もっと稽古の時間が取れていればより観やすいものに仕上がっていたのかなと思います。






……とまぁここまで「もったいない!」「もったいない!」尽くしで書いてしまいましたけど。


ネガティブ発言はここまでにして!

素敵だったと思う所を羅列していきます!







○演出が素敵!

様々な工夫がされてて大変刺激を受けました!

ブラックライトなんて衝撃でしたよ!衝撃!

 

 

舞台上に階段もやりたいなぁと思ってたのをやってくれて本当に良かったです!

頭がパネルの上辺を見切ってたりとかは気になりましたけど仕方がないか。

 

あとは両翼の可変パネル!

あれとブラックライトの組み合わせで、今どちらの世界を観ているかが大変分かりやすかったです。

更に、ライブ会場になったり、踏切になったり、あの可動パネルは本当にうまく考えたなと思います、脱帽。






○照明が素敵!

階段の上、めくった先にある照明とかね!あれ良いですね!

敢えて電球見せていくのも好きでした!


あとライブシーンの照明も好きです!

照明であそこまで表現できたのは素晴らしいと思います!


ちゃんとストロボ焚かれててすげ~!ってなってました。






○衣装が素敵!

衣装てかメイクもか!

いやぁ凄いですね。私はあまり拘らない派なので、あそこまで拘れるのは凄いと思いました!

細かいところまでよく仕上がってると思います。

衣装さん、いつにもまして大変だったと思うけどお疲れ様でした!





ストーリーが素敵!

で色々書きましたけど、後半のストーリーの流れとかは好きです

革命のシーンとかよく挑戦してくれました。


ディストピア感とか結局皆狂ってるところとか、

そういうの好きんですよ!

良い刺激を受けました。ありがとう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てなわけで、良いところも沢山あっただけに……

「もったいなさ」をもっと削っていけたらいい作品になること間違いなしです!

 

うん、色々書きましたが的なところも多々あるかと。失敬。

まぁお前が言うなよ理論って政治の話とか何も出来なくなるから大嫌いなんですけどね!


あとは、「違う!そうじゃない!理解力ねぇな!」みたいのもあるかもしれません。

何かご指摘ありましたらよろしくお願いします。




さて、演出さんもスタッフさんも役者さんも!


今回学んだことを次に活かして、


素晴らしい作品をどんどん産み出していって欲しいです!


皆さんそれぞれ大変だったとは思いますが、お疲れ様でした!

最後にどうでもいい話。


私はJリーグディヴィジョン2のジェフユナイテッド市原・千葉を応援しています。

たまに試合も観に行きます。


サッカーが、チームが、監督が選手が好きだから観に行くんですけど、

常に良い試合ばかりじゃあありません。

結果は勝利でも、自分好みの試合じゃないことだってあるんです。

客席から怒鳴り散らす人もいます。

「なんであそこで、うまくやらないんだよ」

「選手交代遅すぎるだろ」

「走れ!」

「止めろ!」

「決めてくれよなーちくしょー!」


時間割いて、金を払って見てるんだし、いい試合を期待して観に行きたいと思うじゃないですか。

それは自然な感情です。


それを選手や監督が全て聞こえているかは知りません。

けれど少なくとも、試合中はどんなブーイングがあろうと。

どんな言葉を投げかけられようと。

「こっちだって精一杯やってるんだよ!」なんていう選手はいません。心のなかでは思っても。

感情的になっちゃあいけません、黙々と勝利のために試合をするだけです。


思い返すのは試合終了のホイッスルが鳴って、ロッカールームに入ってから。

何故、ブーイングされたのか、あんな言葉をかけられたのか。

もちろん、虫の居所が悪くてただ怒鳴り散らすだけの人もいるでしょう、そういう人には抗議をすべきです。

けど、ほぼ10割は自分達のプレーが原因なんです。


もちろん歓声だけ聞いていられたら楽なんでしょうけど、そうは行かない。

時として罵声を浴びせられることだってある。

でも、それはサポーターがチームを、選手が好きだからなんです。

ヤジを飛ばすためだけに90分時間割いて1800円も払って観に来るサポーターなんていません。

好きだからこそ、「走れよ!」「止めろよ!」「立ち止まんなよ!」とか言ってくれるんです。

サポーターも、チームと、選手と一緒に栄光の輝きを観に行きたいから。


飛ばされたヤジも、歓声も。全部受け止めて進んでいって下さい。