茨城県水戸市ケーズデンキスタジアムの牛スジ野菜煮込みキムチ味

よしっ
思い切って走っていけ!

「アーレオー!アーレオー!アーレ水戸アレオー!」
「アーレオー!アーレオー!アーレ水戸アレオー!」


「ただいまのゴールは横浜FC…」

ああ……

甥っ子の友達の友達の隆行が水戸ホーリーホックのエースで試合に出ていることを
俺は偶然新聞で知った

Jリーグなど全く興味のない俺だ。
しかし姪っ子の母親、つまり俺の姉貴が2年前離婚したこともあって
俺はもう3年もあってない甥っ子のことがどこか心に引っかかっていたのかもしれない

それにしても暑い

「走ーれ 走ーれ 俺達ーと共ーにー」
「水ー戸の 誇りー 見ーせてやーれー」


んぐ んぐ

「暑いねぇ」
「はあ ほんとに……」

暑い…飲んだ分だけ汗が吹き出す
しかし…この暑さ
水モノばかりじゃなく何か腹に入れておかないと
ブッ倒れるな こりゃあ

「なんにしようかな…ま、なんでもいい。スタミナのつきそうなところで」
「……牛スジ野菜煮込みキムチ味、初耳だな」


野菜が入っている上にキムチが入ってるだなんて食べたことがないぞ

牛スジ野菜煮込みキムチ味





「ウーンこの組み合わせは初めてだな、意外にも…」



「うひゃあ、やっぱり暑い。この炎天下でキムチってのもちょっと凄すぎたかな」

「まだ0対1か」


もぐ

「うんうん」

むしゃ むしゃ
もぐ もぐ


「うーん」

はふ はふ


暑くて熱くて辛くて…
味もなにもよくわからない

「ゲットゴール すずーきたかゆき!」
「ゴーアヘッド! ゴーアヘッド!」


「隆行…頑張ってるなぁ」


もぐ もぐ


「うわぁ」

わかっちゃいたけど また汗が吹き出した

「ふう、これじゃサウナだ」


「アチチチ…はあ…」
「……」

「ドント ストップ ファイティング!」
「ドント ストップ ファイティング!」


そうか…脱げばいいんだ

「ふう……ひええ、すごい汗だ」

「あんた、いい体してるねえ」
「え!」
「なんかやってたの」
「いや、そんな……」


ああーーー



「これで0-2かよ」
「ウソだろ」
「横浜FCだぜ」

「FC水戸!FC水戸!」

「水戸…」

「オオオー水戸のー誇りをー胸にー抱き戦おうー」
「ララ ラララララー ラララララー共に戦おうー」


「がんばれ…」


「ファール」

「そうだ隆行。おまえはエースなんだ」



「走ーれ 走ーれ 俺達ーと共ーにー」
「水ー戸の 誇りー 見せてやーれー」
「進ーめ 進ーめ とどまるこーとなーくー」
「希望のこぶーしー 突ーきー上げーろー」
「オーオーオ オーオーオ オーオーオーオーオーオーオー」
「オーオーオ オーオーオ オーオーオーオーオーオーオーオー」


「がんばれがんばれ」

「ゲットゴール すずーきたかゆき ゲットゴール」
「たかゆきーッ!」