絶望の空想

A

B

 

a、b、上手より入ってくる

 

a「ハァ…ハァ…

b「ここまで来れば…いや、油断は出来ないな

a「クソっ、何でこんな事に

b「何で反乱なんか

a「所詮、人類は人類としか共存出来ないってことだよ。だから俺はあいつらが嫌いだったんだよ

b「でも、なんで裏切る?

a「さぁな

b「…噂が流れているんだ、俺達人類の誰かが、奴らを裏切ったって言う

a「…!

b「なんの腹いせだか知らないが、家を追い出されて野生化した個体種が、他の奴にも一斉蜂起を呼び掛けたらしい

a「家を…追い出されて…?

b「あぁ。そいつがそんな事しなければ、こんな事には…

a「…もしかしたら、それ、俺かもしれない

b「はぁ?…お前まさか

a「捨てたんだ、あいつを捨てたんだよ俺は…!

b「馬鹿野郎…馬鹿野郎!何でだよ!何でそんな事すんだよ!

a「だって!あいつが悪いんだ!あんなことするから!

b「あんなことって何だよ!温厚なあいつらがそんな酷いことするわけないだろ

a「俺の…捨てられたんだ

b「はぁ?

a「掃除されたんだ!俺のお宝写真集と保存用のポスターを捨てられたんだ!ついでにエロゲと!PCの中のお宝データ集も!

b「お前、お前そんな理由でやつらを捨てたのか!

a「だって!レア物沢山あったのに!5年間の集大成だったのに!

b「お前の性事情なんて知ったこっちゃない!どうしてくれるんだ!お前のせいだぞ!

a「だって…だって!

b「街には野良が大量発生、人から建物から何まで駆逐し始めた。結果人間は街を追われただひたすら逃げるだけ…

a「まるでバイオハザードだな

b「よくその口で冗談が言えるな!お前のせいでみんな…みんな…

a「…じゃあ俺はどうすれば良いんだよ、何を償えばいい

b「このやろ

a「待て

b「待たーん

a「いいから待て!耳を澄ませてみろ

b「耳を…!これは、まさか!

a「あぁそうだ。こいつは…やつらだ!」

b「や、やつらだと。う、うわぁぁぁ

a「叫ぶな、バレるぞ!

b「お、俺はもうこんなの嫌だ!俺は逃げるぞ!殺人機械と同じ空間にいられるか!

 

b、下手にハケようとする。

 

a「馬鹿野郎!典型的な死亡フラグを立ててどうする!

b「うわぁぁぁこっちにいたぁぁぁばりばりばー

a「うわぁぁぁグロい!何で春からこんなグロいのやってんの!馬鹿野郎!

 

b、舞台裏に引き摺られていく。

 

a「コントだろ…新入生を歓迎するためのコントなのに何グロいハケ方してんの!馬鹿!

a「もうダメだ、やつらにゴミ認定されたら最後、生きて帰ることは出来ないんだ…そう、お掃除ロボット、ルンバに!

a「うぉぉぉぉぉぉぉ──

 

a、上手にハケようとする。

 

a「──あぁぁぁこっちにもいたぁぁぁぁばりばりばーありがとうございましたぁぁ。

 

a、舞台裏に引き摺られていく